約束の地



みんなスッキリしない過去や何かを幾つか抱えて生きている



全て見事にスッキリしている人がいるならそれは良いことだが、僕はきっと友達にはなれない



もしいるとしたら、よほど人生を達観した人、あるいは無感情な人だと思う



とにかく人は幾つかのスッキリしない何かを背負って生きている



いくら大人になっても、権威や成功を手にしても清算できない事もある



出来事だけではない。過去の自分の性格、行動、思考さえもやり直したいと思う夜もある



ただそれらの”悔い”がすべて悪いことだと思わない



なぜなら「過去の悔やみ」が新しい輪郭の深みになり、徐々に人としての味になっていく



だが、できれば悪いことや難題が無いに越したことはない



しかし必ず誰にでもあるし、捉え方によっては人生の好機となる



惨めな姿は気概の原点となり、後悔は新たな価値観を作り出し、敗北が次の挑戦に繋がり、挫折は未来の経験値となる



自分なりの頂にたどり着くまで歯を食いしばり一歩、また一歩、足を動かして



試練とは、乗り越えられる者のみに与えられる神様と交わした「約束の地」なのだから




 

山の景色