「0」の引力



娘と朝から揉めた日のこと



三女が風邪気味、喉はガサガサ…声が出ていない。体温は37度6分



高熱というほどではないが、登校はさせられない



しかも咳が出ているので「熱が上がったら大変だし、友達にも迷惑がかかるから今日は休んで」と言うと「マスクをして皆に迷惑かけないようにするから学校に行きたい」と…



とにかく三女は学校に行きたいらしく、登校を拒む僕に不満をぶつける。でも今日は行かせない



これ以上熱が上がったら病院に行く必要があるし、インフルエンザの可能性だってある。もしかしたら風邪薬を飲んで一日休めば回復して明日から学校に行けるかもしれない。とにかく今日は安静にさせたい



だが三女は頑なに枯れた声で学校に行きたいと猛アピールを続ける



僕も頑なにNOを突き付ける



程なくしてようやく行くことをあきらめ、ガッカリと肩を落としうつむく



「今日はパパも会社を休んで家で仕事をするから」と言うと「わかった…」としぶしぶ返事をし布団に入り天井を見つめている



高熱でもないしちょっと声がガサガサしているくらいなのだから学校に行きたい気持ちも分かるが…



朝ごはんも食べていたし気持ちも前向きなので行かせてやりたいところだが今日は休ませよう



ちなみになぜそこまで欠席したくないかを聞いてみた。理由は去年友達の通知表の欠席「0」を見てそれがカッコよくてずっと憧れていたので自分も「0」と書かれたいとのことだった



だからいつも手洗いうがいは誰よりも念入りにやっていたのか!



何がモチベーションの動機になるのか読めないところも面白い



でも今日は学校お休み






パパ特製、塩麴おかゆを作ったらヨーグルトとポカリスエット買いに行ってくるよ!



買い物から帰宅し、寝室をのぞいてみると緩やかに寝ている



お昼ごろ目を覚まし、おかゆを食べて薬を飲みまた寝室に戻っていく



夕方リビングに来た娘は「今日は三銃士、十五少年漂流記、キュリー夫人、サリバン先生を全部読めたから学校を休んで良かった~」と微笑む



喉のガサガサも治っているし、熱も36度2分に下がっているので一安心



するとすかさず「明日はもっと本を読みたいからまた休みたい」と言う



「どうせもう”0”じゃないんだからあと1日くらいいいじゃん」とせがまれた僕は「明日は行きなさい」と要求を却下



「ちぃ~!小さい男だねぇ~」といつもの口調がなんだか今日は特に嬉しい



三女の軽口は調子が戻った元気のバロメーター



欠席は「0」じゃくなってしまったけどパパには良い一日だったなぁ



お粥