閉店間際のスーパーマーケット



3割引きから半額、賞味期限ぎりぎりのモノには思い切った値段のシールが貼られている



普段なかなか買えない高額な商品に貼られているとついつい手が伸びてしまう



今日の食事当番は僕



仕事が押してしまい、遅くなってしまったので簡単なメニューにしようと考える



作り置きの筑前煮があったから、あとは卵スープ、豆腐サラダ、メインはとんかつにしよう



揚げるだけなら簡単だ



そんな僕の目の前には美味しそうなすき焼き肉



3800円が1100円に…誘惑のお値引きシール



それでも1100円か…どうしよう。最近食費がかかりすぎている。少し抑えなければいけない。このサシのいい肉を妻が見たらまた高い肉を買ったと思われるだろうし、割引シールをこれ見よがしに見せるのもセコイ…。かといって「割引だった」と言えばいいが、近頃そのセリフを連発してる…



それにすき焼きにしたら卵で食べるから、卵スープは却下だなとアレコレ考え、肉コーナーの前で悩みウロウロするおじさん。客観的に見たら少し不気味だが仕方ない



買う or 買わない?



妻と子どもたちの表情を思い浮かべながら迷う



その間、品のいい女性がスッと例のすき焼き肉を持っていく



動揺でカートを握っていた手がピクっと反応し車輪が浮いてしまった



ガッカリした優柔不断な男はとんかつ用の豚肉を探し始める



見つけた時に一番安いとんかつ5枚で1350円、心のため息、いざレジへ



閉店間際のスーパーマーケット、やるせない気持ちが込み上げる



悲しきは決断力と瞬発力の無さ…少し切ないスーパーの帰り道

 

 

落ち込む少年