夜の王子様



お気に入りのBar


ろうそくの匂いでむせびそうになる
独特の空間



バーテンダー兼オーナーは
まるで上流階級のようないで立ち


その魅力に夢うつつ
気持ちをとかす女性も多い


熱い視線のいなしかたも
スマートでアンニュイで意味深げ


誘いを断わられても誰も気分を害せず


むしろ以前より熱狂的なファンになる


彼の知の泉、芸術性、
話の構成にうっとりする



もしかしてハイスペックな王子様?



仕草、語り口調、ユーモラス、
気遣いなどのバランスも超一流


小気味のいい言葉と中世ヨーロッパを漂わす空間に包まれる


極めつけはピアノ演奏


背中がゾクッとするほどの
情熱的な彼に惹きつけられる




しかし最近の僕の経営評判を人伝えに聞いたからなのか、ちょいちょいボッタくる


ボッタあとにマティーニを出して「僕からのエールです」とぬかしたときは倒れそうになった



それでも僕はここに通って
君のワルツで夢を見たい

 


紳士でアーティスト、
そしておチョンボさん


これからもごひいきに

 

 

赤く輝くカクテルとキャンドルの光