僕たちのゲームセンター



僕が子供の頃に通っていたゲーセンは駄菓子屋の中にあった



正式な店名があったが何故かみんなが「はなくそや」と呼んでいた



狭い店に数台のゲーム機があった



ドンキーコング、ディグダグ、熱血硬派くにお君、パックマン、ゼビウス、フロントラインにシティコネクション



小遣いを気にしながら ”すもも” をかじり ”酢イカ” を頬張りながらゲーム機をガチャガチャと操作する



誰が出したかわからないハイスコアにジェラシーを燃やしつつゲームにお金を費やしていく



そんな時、となりの人からいい匂い。カップ麺の登場



しまった!その眩しい存在をすっかり忘れていた



いつも誰かの旨そうな匂いで思い出す



時すでに遅し、この残金では憧れには届かない



やがて40円が10円、10円はふ菓子に変わり宴が終わる





朝からゲーセンに行き、お昼までお金が持たない帰り道



家路に向かう途中、一丁前に虚無感に襲われる



「どうせ無くなるんならコロコロコミック買えば良かったなぁ」とイジイジ…



まるでギャンブルに負けて帰る大人と同じ心境じゃないか



日曜日のお昼前、足取りがオジサンな僕の少年時代



しょんぼりしている男の子