”バス友”道中記



忘れられない思い出がある



以前、秋が深まり紅葉が素晴らしい季節に京都府南丹市の美山町にひとり旅をした



国の『重要伝統的建造物群保存地区』にも指定されている美山町



今も尚かやぶき屋根の集落が立ち並ぶ美しい街を目指す



タイムスリップしたような別世界をひと目見たくて電車とバスを乗り継いで出かけた





JR日吉駅を降りると、改札口にはすでにマイクロバスが停まっている



バスはあっという間に満席になる



海外からの観光客がほとんどだった



バスの中には数ヶ国語で案内が書かれていた



もしかしたら日本人は僕と運転手さんだけかもしれない



僕は隣の席に座った台湾の方に同じ台湾からの旅行者だと間違われ、話しかけられたりしながら旅が始まった





民家が立ち並ぶ細い通りを抜け、だんだんと紅葉の景色が広がってくる



キレイな川沿いの道を走った



素晴らしい絶景に目が釘付けになる



しばらく走るとようやく見えてきた”かやぶき屋根の集落”



バスの中では、あちこちで「おお~」と感動のうなずきが聞こえてくる





到着し料金600円を支払う行列に並ぶ



その時、ハッとした



あれ!?小銭が無い!?



京都駅で切符を買った時に使ってしまいったような…





そういえば久々のひとり旅に浮かれていたのか、小銭を用意するのをすっかり忘れていた!



マイクロバスには両替機などはない



財布を見たら、なんとも最悪。万札と300円程度の小銭しかなかった



運転手さんに事情を話すと「おつりがない」と言う



困った!どうしよう!!



かやぶき屋根を目の前に、僕のせいでバスを降りる人達を渋滞させてしまっている



思いがけないハプニングに頭が困惑してしまった



運転手さんも困り果てている





そんな時、すでに支払いを済ませた海外からの旅行客の方がなんとなく雰囲気を察して戻ってきてくれた



僕にジェスチャーで「両替をするかい?」と合図してくれた



僕は日本語で「ありがとうございます!」とお願いし、1万円を細かく両替してもらい運転手さんに料金を渡すことができた



運転手さんも「良かったね~」とほほ笑んでくれ、助けてくれた旅行客の方は親指を立て ”good”のサインと笑顔をくれた



僕はお礼を言って握手を交わした



待たせてしまった方々も、言葉は通じないものの「良かったね~」と温かい雰囲気で応じてくれた!





みなさんの親切な気持ちのおかげで温かい思い出がひとつ増えた♪





無事に下車し、かやぶき屋根に到着。素晴らしかった



びっしり密集した草が見事に葺かれた屋根の美しさ



昔の人の知恵と工夫、職人さんの技術や継承心に感動した



ひとしきり散策したのち「きび工房」で食べた三食団子の優しい味は情緒あるかやぶきの景色にピッタリだ

かやぶき屋根

美しい川

ちなみに、かやぶきの里からもう少し奥に入ると「河鹿荘」という宿泊施設がある



河鹿荘では美山名物でもあるジビエ料理、鹿肉コロッケや鹿肉ソーセージが味わえる



肉の旨味が濃くてビールとの相性が最高



僕はニオイがちょっと気になったが、好きな人には堪らないかも♪



なかなか食べられない鹿肉を堪能し印象に残る旅ができた





お土産もたくさん買って帰りのバスに乗ったら、なんと今朝、僕を助けてくれた方と一緒になった



お互い笑顔で挨拶を交わし隣同士に乗車



相手の方は少しだけ日本語を話せたので楽しい会話もできた



僕は多めに買ったお土産の ”鹿カレー” と ”鹿肉ソーセージ” を今朝のお礼に受け取ってもらった



最後はお互いがスマホで撮影した写真を見せあって感動を共有





その「縁」を期に連絡先を交換し今でもその方との交流は続いている



12月には秋田県の角館旅行を計画しているとのことで、そのとき東京で会う約束をしている



いまから彼と一緒にお酒を飲める日が待ち遠しい





小銭事件から始まり、温かい出会いや美しい感動がいっぱいあった素晴らしい旅



バスならではの距離感と親近感、そして海外の人の親切が胸に届いた素敵な旅行になりました



瓶ビールで乾杯