わが家は僕以外みんながティファールの水筒を使っている
夏は麦茶、冬はホットのほうじ茶を入れ持ち歩く
節約にもなるし、季節に応じた嬉しい温度を持続できる
僕の水筒は保温・保冷が乏しい昔の“どでかいヤツ”
妻が「少しキャップの部分が壊れているからお揃いの水筒買ってこようか?」と
多少壊れているが、まだ使えそうだ
本音を言えば新しい水筒が欲しいけど、親としてモノを大切にする姿勢を見せたい
先月ガソリンスタンドで点検を受ける時に待合室に水筒を持ち込んだ
点検が終わり家に帰ったとき、水筒を忘れてしまったことに気が付いた
すぐガソリンスタンドに連絡をしたが無かった
どこに置き忘れてしまったのだろう…
その二日後、妻が新しいティファールの水筒を僕に買ってきてくれた
涼しい顔で受け取ったが、じつはみんなと同じティファールのおしゃれな水筒がとても嬉しかった
自分では無意識だったが、しばらく水筒を眺めていたらしい
次女から「何ニヤニヤしているの?」と言われ無表情を作り直す
それを聞いていた妻からは「なんだ!本当は欲しかったんじゃん!!」と…
次々とロケット花火が飛んでくる
ちょうど昨夜、娘たちに「なんでもかんでも新しいものを欲しがるんじゃない」と話したばかりのタイミング
舌の根も乾かぬうちに新しい水筒をもらってウカウカ喜ぶわけにはいかない
買ってもらってきてなんだが間が悪すぎた
そんな僕にすかさず「新しい水筒は嬉しいけど素直になれないよね~班長さん♪」と三女からの打ち上げ花火
ギブアップ!!
新しい水筒への喜びは隠し切れていないようなので観念して素直になった
それにしても班長さんって何?
とにかく喜びを解放した僕は、気兼ねなく浮かれる
出かけるわけでもないのに早速、新しい水筒に麦茶を入れてみる
やっぱりティファールの水筒はいいなぁ~と悦に浸り眺めながら麦茶を飲んでいる僕を見ていた長女から「パパって喉仏、ぜんぜんないんだね」と線香花火の火種が足に落ちてくる
唐突な一言に不意を突かれ、妻に麦茶を噴射した僕…
物を大切にする話を語った翌日、新品の水筒を素直に喜べず、あげくツバ入りの麦茶を妻にプレゼントする規格外な中年男
そんな季節外れの花火を浴びた僕の“ティファール水筒デビュー”